ニュートン力学
ニュートンの第2法則
合力は質量と加速度の積に等しい:ΣF = ma。あらゆる力学の問題の背後にある定量的な法則です。
ニュートンの第2法則は次の問いに答えます:物体に力が働くとき、その運動はどれくらい速く変化するのか。答えは短い1つの式に収まりますが、古典力学全体の土台となっています。
ここで は合力(物体に働くすべての力のベクトル和)、 は質量(物体が速度の変化にどれだけ抵抗するかの尺度)、 は加速度(速度が時間とともにどれだけ速く変化するか)です。
定義: 慣性質量
第2法則における質量は、漠然とした「物質の量」ではなく、まさにこの式を通じて定義されます。同じ力に対して が大きいほど は小さくなります。既知の力が物体をどれだけ加速させるかを見ることで質量を測ります。
中高なぜ ΣF = mv ではなく ΣF = ma なのか?
ニュートン以前、アリストテレス的な見方では、運動を維持するには力が必要で、力がなければ物体は静止すると考えられていました。しかし実験(特にガリレオの斜面の実験)により、摩擦のない面では物体は力がなくても永遠に等速直線運動を続けることが示されました。つまり力が生み出すのは速度ではなく、速度の変化、すなわち加速度です。これが第1法則(慣性)の内容であり、第2法則はその関係を定量化したものです。
斜面上の3つのケース
角度 の斜面上にある質量 の物体を考えます。斜面に沿った引く力 と動摩擦係数 も加わります。重力 を2つの成分に分解します:(斜面に沿って物体を下向きに引く)と (斜面に垂直で、垂直抗力 とつり合う)。
摩擦力の向きは運動の向きによって決まります:摩擦は常に相対運動に逆らうので、物体が下向きに滑れば摩擦は斜面の上向きに働き、逆の場合はその反対です。物体が静止しているときは、静止摩擦力が大きさを( を超えない範囲で)自ら調整して を保ちます。これは第1法則の限界的な場合です。
例: 引く力のない斜面
質量 2 kg の箱が傾斜 30° の斜面にあり、摩擦係数は 、追加の引く力はありません。箱は滑り落ちるでしょうか。滑る場合、加速度はいくらですか。
解答
を と比べます。 なので、重力の斜面方向の成分が最大静止摩擦力に勝り、箱は滑り落ちます。加速度:。
第2法則は軸ごとに適用します。すべての力を確認し、正の向きを決め、その軸方向の合力を求めます。質量 10 kg の台車を 35 N で引き、摩擦が 15 N なら合力は 20 N、加速度は 2 m/s² です。同じ合力を 5 kg の台車に加えると加速度は 4 m/s² になり、質量が大きいほど運動を変えにくくなります。
例: 台車の加速度
質量 4 kg の台車に右向き 18 N、左向き摩擦力 6 N が働きます。加速度を求めましょう。
解答
ΣF=12 N、a=ΣF/m=12/4=3 m/s²、右向きです。
クイックチェック
物体が摩擦のない水平な床の上で静止しています。物体に働く合力はいくらですか。
合力を同じに保ったまま物体の質量を2倍にすると、加速度は:
参考文献
- Isaac Newton (1687). Principia Mathematica
- Young, Freedman (2019). University Physics