ニュートン力学
斜面
重力を斜面に平行・垂直な成分に分けると、運動と摩擦を理解できます。
斜面は単純機械の一つです。斜面に沿って物体を上げると、垂直に持ち上げるより小さい力で済みますが、距離は長くなります。滑りを調べるには、重力を斜面に沿う方向と垂直方向に分けます。
定義: 重力の成分
水平から角度 の斜面では、重力 の斜面方向成分は下向きに 、垂直成分は です。面に垂直な加速度がなければ、垂直抗力は です。摩擦力は斜面に沿って働きます。
斜面に沿う運動
摩擦がなければ斜面方向の運動方程式から下向き加速度は です。動摩擦係数が で物体が下向きに滑る場合、 となります。この式は下向き滑りを仮定します。斜面方向の重力成分が最大静止摩擦力以下なら、静止摩擦が物体を止められます。
例: 摩擦のない場合の加速度
摩擦のない の斜面を物体が滑ります。 として斜面方向加速度を求めましょう。
解答
で、斜面下向きです。
30° の斜面上の質量 4 kg の荷物には、 とすると下向き成分 が働き、垂直抗力は です。摩擦がなければ加速度は質量によらず 5 m/s² です。斜面は小さな力で長い距離を動かす仕組みであり、荷物を上げる仕事そのものをなくしません。
例: 斜面上の力
摩擦のない 30° 斜面を物体が滑ります。g=10 m/s² として加速度を求めましょう。
解答
a=g sin30°=10×0.5=5 m/s²、斜面下向きです。
斜面方向の摩擦を決めるには、まず物体が滑る、または滑ろうとする相対方向を考えます。重力の垂直成分は接触の押し付けに関係し、平行成分は物体を斜面下へ滑らせようとします。荷物用スロープや滑り台でも同じ考え方を使います。
クイックチェック
水平から角度 θ の斜面に平行な重力成分は何ですか。
斜面に垂直な加速度がないとき、垂直抗力 N はいくらですか。
参考文献
- Young, Freedman (2019). University Physics