ニュートン力学
非弾性衝突
非弾性衝突では運動エネルギーは保存しませんが、孤立系では全運動量が保存します。
初期運動エネルギーの一部は内部エネルギー、熱、音、変形に移ります。物体が合体する衝突は完全非弾性衝突です。
定義: 完全非弾性衝突
物体が合体し、水平方向の外力積を無視できる場合、 です。運動量は保存しますが、力学的運動エネルギーは減少します。
衝突問題を解く
二物体を含む系を選び、正方向を決めて運動量保存を用います。一次元完全非弾性衝突では です。形を変えたエネルギーは失われません。
例: 台車が合体する
右へ4 m/sの2 kg台車が左へ1 m/sの3 kg台車に合体します。共通速度を求めなさい。
解答
右向きを正とすると m/s、右向きです。
クイックチェック
完全非弾性衝突で減る運動エネルギーは前後の状態から計算できますが、消滅するのではなく内部エネルギー、音、変形に移ります。一直線上の質量 、初速度 では、失われる運動エネルギーは です。ここで換算質量は 。初めの相対速度が損失を決めることが分かります。
反対方向の運動は、式に代入する前に速度の符号で表します。質量が等しくない限り、合体後の速度は算術平均ではありません。合計質量に最終速度を掛けて初期全運動量が戻るか確認できます。負の結果なら、合体した物体は設定した負方向へ進みます。
例えば同じ質量の台車が同じ速さで反対向きに進むと、初めの全運動量はゼロです。衝突して合体すれば静止します。運動量ゼロが保存し、初期運動エネルギーは別の形へ移るので法則に反しません。一方の速度だけでは合体後の運動を予測できないことが分かります。
孤立系の完全非弾性衝突で何が保存しますか。
衝突後に二物体が合体する衝突は何ですか。
参考文献
- Young, Freedman (2019). University Physics