素粒子物理学
ディラック場とフェルミ粒子
ディラック場はスピン1/2粒子と反粒子を量子化して記述します。反交換関係がフェルミ・ディラック統計とパウリの排他原理を保証します。
3+1次元のディラック・スピノル ψ は4成分で、粒子・反粒子それぞれの2つのスピン状態を記述します。ディラック方程式は量子力学とローレンツ共変性を統合し、正負周波数モードを粒子・反粒子場として量子化します。
定義: 定義と物理的意味
場は粒子消滅 b と反粒子生成 d† の演算子で展開され、{b,b†}=δ の反交換関係を満たします。ボソンの交換関係と異なり、同じモードへの2つのフェルミオン占有を禁じます。
構造と解釈
自由ラグランジアン L=ψ̄(iγμ∂μ−m)ψ からディラック方程式が得られます。∂μ→Dμ=∂μ+ieAμ と置き換えると電磁相互作用と光子・フェルミオン頂点が生じ、ゲージ不変性が電流を保存します。
例: 定量例
静止運動量 p=(m,0,0,0) ではディラック方程式の解は u と v に分かれます。量子化後 b† は粒子、d† は反粒子を生成し、反粒子は逆符号の電荷をもちます。
解答
v モードは古典的な負エネルギー粒子ではなく、場の量子論では反粒子生成演算子と正エネルギーのスペクトルに対応します。
ローレンツ共変性は形式的な条件にとどまりません。スピノル成分が一体となって変換するため、どの慣性系でも方程式の形が保たれます。一粒子の確率流は四元電流 に一般化され、運動方程式のもとで となります。場の理論では保存電荷流となり、ディラック場とゲージ場の結合の基礎です。
反交換関係は、一粒子の負エネルギーが示唆する不安定性も解決します。場の展開ではフェルミオン消滅演算子と反粒子生成演算子を用い、ハミルトニアンのスペクトルを正にします。二つの演算子を交換すると負号が現れ、多粒子状態では排他原理となり、原子物理のスレーター行列式の符号構造を支えます。
確認問題
フェルミオンはどの統計に従いますか。
電子の反粒子はどの電荷をもちますか。
参考文献
- Michael E. Peskin and Daniel V. Schroeder (1995). An Introduction to Quantum Field Theory
- Steven Weinberg (1995). The Quantum Theory of Fields, Volume I