Physic Labs

量子力学

波動関数とその確率解釈

波動関数 ψ は確率振幅を表し、|ψ|² は位置の確率密度です。全確率が1になるよう規格化します。

量子力学では、粒子の純粋状態を複素波動関数 ψ(r,t)\psi(\mathbf r,t) で表します。これは軌道でも物質密度でもなく、測定結果の確率を計算するためのものです。

ρ(r,t)=∣ψ(r,t)∣2,P(Ω,t)=∫Ω∣ψ(r,t)∣2 d3r\rho(\mathbf r,t)=|\psi(\mathbf r,t)|^2,\qquad P(\Omega,t)=\int_{\Omega}|\psi(\mathbf r,t)|^2\,d^3r

定義: ボルン確率密度

∣ψ∣2|\psi|^2 は単位体積当たりの確率です。領域 Ω\Omega で粒子を見いだす確率は、その領域で密度を積分して求めます。SI単位系では ∣ψ∣2|\psi|^2 の単位は m−3^{-3} です。

箱型ポテンシャルの2状態重ね合わせに対する ∣ψ∣2|\psi|^2 を観察します。エネルギー差を変えると、規格化を保ったまま密度が振動します。

規格化と測定

∫R3∣ψ(r,t)∣2 d3r=1\int_{\mathbb R^3}|\psi(\mathbf r,t)|^2\,d^3r=1

一次元に閉じ込められた粒子を aa から bb の間で見いだす確率は P=∫ab∣ψ(x,t)∣2dxP=\int_a^b|\psi(x,t)|^2dx です。密度は時間変化しても、閉じた系のユニタリ発展では全空間での積分は1に保たれます。

例: 箱の半分にある確率

0<x<L0<x<L の無限深井戸の基底状態は ψ1=2/Lsin⁡(πx/L)\psi_1=\sqrt{2/L}\sin(\pi x/L) です。左半分で粒子を見つける確率を求めなさい。

解答

P=∫0L/2(2/L)sin⁡2(πx/L)dx=1/2P=\int_0^{L/2}(2/L)\sin^2(\pi x/L)dx=1/2 です。∣ψ1∣2|\psi_1|^2 が L/2L/2 を中心に対称であることからも分かります。

位置測定で粒子を区間 [a,b][a,b] に見いだす確率は P=∫ab∣ψ(x,t)∣2 dxP=\int_a^b |\psi(x,t)|^2\,dx です。全直線で規格化された状態の積分は一となり、互いに重ならない領域の確率は加算できます。区別できない二経路では、複素振幅を二乗する前に干渉し、∣ψ1+ψ2∣2|\psi_1+\psi_2|^2 に交差項が現れます。個別の確率を足すだけではこの項を得られません。したがって測定は既存の古典分布を単に読み取ることではなく、選んだ観測量が可能な結果と確率を定めます。三次元では dxdx を体積要素 d3rd^3r に置き換えます。

クイックチェック

位置 r\mathbf r で粒子を見いだす確率密度はどの量ですか。

全空間で波動関数を規格化する条件は何ですか。

参考文献

  1. David J. Griffiths, Darrell F. Schroeter (2018). Introduction to Quantum Mechanics