量子力学
量子摂動論
摂動論は、解ける問題に近いハミルトニアンのエネルギー準位や固有状態の変化を見積もります。
現実的なハミルトニアンの多くは厳密に解けません。スペクトルが既知の H0 と小さな補正 V を用いて H=H0+λV と分け、無次元パラメータ λ で展開します。
En=En(0)+λ⟨n∣V∣n⟩+λ2m=n∑En(0)−Em(0)∣⟨m∣V∣n⟩∣2+O(λ3) 定義: 一次補正
非縮退状態 ∣n⟩ の一次エネルギー補正は ΔEn(1)=λ⟨n∣V∣n⟩ です。固有状態も変化し、他状態の混合係数は ⟨m∣V∣n⟩/(En(0)−Em(0)) に比例します。分母が小さい場合は縮退摂動論などが必要です。
二準位系の結合摂動を徐々に強め、エネルギー準位を追跡します。縮退とエネルギースペクトル
複数状態が同じ未摂動エネルギーをもつ場合、縮退部分空間内で V を先に対角化します。間隔 δ の二準位を g が結合すると固有値の分裂は 2(δ/2)2+∣g∣2 で、共鳴時のギャップは 2∣g∣ です。
例: 例:箱型ポテンシャルの準位シフト
無限井戸内で一定の摂動 V(x)=V0 の期待値は V0 です。一次では全準位が λV0 だけ移動し、準位間隔は変わりません。
解答
ΔEn(1)=λ⟨n∣V0∣n⟩ と規格化 ⟨n∣n⟩=1 から、ΔEn(1)=λV0 です。
一次の非縮退エネルギー補正は En(1)=⟨n∣V∣n⟩ です。二次では他の状態が En(2)=∑m=n∣Vmn∣2/(En(0)−Em(0)) に寄与します。分母から、縮退近傍で小さな摂動が大きな効果を持つ理由が分かります。その場合は縮退部分空間内で先に V を対角化します。状態補正にも一次の混合が含まれます。これらの式は十分弱い摂動と孤立状態を仮定し、連続スペクトルには異なる規格化の扱いが必要です。
クイックチェック
非縮退準位の一次エネルギー補正は何ですか。
縮退準位の摂動はどのように扱いますか。