素粒子物理学
ファインマン図と S 行列
ファインマン図は散乱振幅の摂動項を表します。S 行列は入射・出射の漸近状態を結び、頂点因子、伝播関数、ループ積分が振幅を決めます。
相互作用により自由状態は散乱状態へ変わります。S 行列は遷移振幅をまとめ、結合定数で展開すると図が得られます。各図は古典的粒子軌道でなく特定の積分を表します。
定義: 定義と物理的意味
外線は入射・出射粒子、内線は伝播関数、頂点は相互作用規則を表します。振幅は必要な次数の図を足し合わせ、ループ運動量を積分し、対称因子を含めます。
構造と解釈
最低次 QED では e⁺e⁻→μ⁺μ⁻ に s チャネル図が1つあり、電子・陽電子電流とミューオン電流を光子伝播関数が結びます。m_Z 付近では Z 交換と干渉も必要で、図1つが全予測ではありません。
例: 定量例
木レベルの QED 図にはフェルミオン・光子頂点が2つあり、各々 e を与えます。したがって M∝e²、断面積は |M|²∝e⁴∝α² です。
解答
振幅の二乗により e の4乗が現れ、α=e²/(4π) なので、運動学因子を除き断面積は α² に比例します。ループ図は高次補正を加えます。
散乱振幅は、同じ初期状態・終状態を結ぶ寄与をすべて足して求めます。一つの図を「実際の経路」として選ぶのではありません。木レベルでは通常有限個の図で済みますが、ループごとに内部運動量の積分が加わります。振幅を二乗し適切なスピン平均を取ると、事象数と比較できる断面積が得られます。
線や頂点の記号は飾りでなく計算規則です。各頂点で四元運動量が保存され、各伝播関数は内部四元運動量と粒子質量に依存し、外線は質量殻上に置かれます。閉ループでは未知の運動量を積分し、光学定理により振幅の虚部が物理過程全体の確率と結び付きます。こうした検査は図式計算とユニタリティを結びます。
確認問題
木レベルの QED で交換される粒子は何ですか。
ファインマン図は何を表しますか。
参考文献
- Michael E. Peskin and Daniel V. Schroeder (1995). An Introduction to Quantum Field Theory
- Steven Weinberg (1995). The Quantum Theory of Fields, Volume I