熱物理学
内部エネルギーとその変化
内部エネルギーは系の微視的なエネルギーであり、熱の移動や系にされた仕事によって変化します。
気体は熱を受け取っても、圧縮されても温度が上がります。エネルギー移動の仕組みは異なりますが、どちらも内部の微視的エネルギーを変えます。
定義: 内部エネルギー
内部エネルギー は、系を構成する粒子の微視的運動エネルギーと相互作用の位置エネルギーを含みます。単原子理想気体では温度だけに依存し、 です。ここでは系が熱を受け取ると 、外界が系に仕事をすると とします。
熱と仕事はエネルギー移動の方法
熱 と仕事 は状態に蓄えられた量ではなく、過程中に系の境界を通って移動するエネルギーを表します。内部エネルギー は状態関数なので、 は始状態と終状態だけで決まります。
例: 断熱圧縮
気体を断熱圧縮し、外界が気体に J の仕事をしました。内部エネルギーの変化を求めましょう。
解答
断熱では です。したがって J です。
確認問題
内部エネルギーは系の微視的エネルギーで、熱運動と粒子間相互作用を含みますが、物体全体の運動エネルギーは含みません。そのため容器の壁を通る熱移動がなくても、水をかき混ぜれば内部エネルギーは増えます。一方、温かい物体を冷たい物体のそばに置けば、熱移動によって内部エネルギーが変化します。単原子理想気体では内部エネルギーは温度だけに依存し、U=rac32nRT です。これはモデルの結果で、あらゆる物質に使える式ではありません。内部エネルギーは状態関数なので、その変化は経路ではなく初状態と終状態だけで決まります。対して熱と仕事は過程中に系の境界を越えるエネルギー移動の方法であり、物体内に蓄えられた量ではありません。計算では系を明確に定め、系に入る熱と周囲が系にする仕事を区別しましょう。
気体が 200 J の熱を受け取り、周囲が気体に 50 J の仕事をすると、規約 では内部エネルギーが 250 J 増えます。同じ初状態と終状態を結ぶ別経路では熱や仕事が異なっても、内部エネルギー変化は同じです。
の規約で、気体が J の熱を受け取り、外界が J の仕事をしました。 はいくらですか。
内部エネルギーはどの種類の量ですか。
参考文献
- Charles Kittel, Herbert Kroemer (1980). Thermal Physics