素粒子物理学
ヒッグス粒子とヒッグス機構
ヒッグス場はゼロでない真空期待値をもち、電弱対称性の破れ後に W・Z 粒子へ質量を与えます。ヒッグス粒子はその場の励起です。
μ²<0 ではポテンシャルは「メキシカンハット」形となり、極小は Φ=0 でなく円周上にあります。真空が方向を選び、ゲージ理論ではゴールドストーン自由度が吸収されてゲージ粒子に質量を与えます。
定義: 定義と物理的意味
ユニタリーゲージでヒッグス二重項は ⟨Φ⟩=(0,v/√2)ᵀ、v≈246 GeV となります。すると m_W=gv/2、m_Z=v√(g²+g′²)/2 で、光子は質量ゼロのままです。
構造と解釈
真空を選ぶと二重項の3つのゴールドストーン自由度は W± と Z⁰ に吸収され、物理的自由度としてヒッグス粒子 h が1つ残ります。これはゲージ理論における自発的対称性の破れの実現です。
例: 定量例
λ≈0.13、v≈246 GeV とすると m_h≈√(2λ)v≈125 GeV です。これは観測されるヒッグス質量で、W/Z 質量とは異なります。精密値は走るパラメータと規約に依存します。
解答
√(2×0.13)×246 GeV≈125.5 GeV です。古典的な四次ポテンシャルと有効パラメータによる概算で、精密予測では量子補正を含めます。
ヒッグス場は湯川相互作用を通じてフェルミオンにも結合します。対称性の破れ後、この結合はフェルミオン質量 となるため、湯川結合の違いが異なる質量を生みます。係数 がなぜ何桁にもわたるのかは説明されず、フレーバー構造の未解決問題です。ニュートリノの非零質量には追加機構が必要です。
自発的対称性の破れは、基本法則の対称性が失われるという意味ではありません。方程式は対称なまま、真空状態が一つの配置を選びます。ポテンシャル極小の周りの振動がヒッグス粒子となり、W・Z質量は二重項の共変微分から生じます。フェルミオンは湯川結合で質量を得ますが、残る が破れないため光子は質量ゼロです。
確認問題
標準模型のヒッグス真空値 v はおよそいくつですか。
ヒッグス機構で質量ゼロのままなのはどの粒子ですか。
参考文献
- Michael E. Peskin and Daniel V. Schroeder (1995). An Introduction to Quantum Field Theory
- Steven Weinberg (1995). The Quantum Theory of Fields, Volume I