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量子力学

水素原子:エネルギー準位と軌道

クーロンポテンシャルにより水素のエネルギー準位は主量子数 nn で定まり、軌道 ∣ψnlm∣2|\psi_{nlm}|^2 は確率密度を表します。惑星の軌道ではありません。

水素は量子力学で厳密に解ける最初のクーロン問題です。球座標でシュレーディンガー方程式を変数分離すると、n,l,mln,l,m_l で指定される状態が得られます。単純なスペクトルは線スペクトルを説明し、原子構造の基礎となります。

En=−13.6 eVn2,n=1,2,...;l=0,...,n−1,ml=−l,...,lE_n=-\frac{13.6\,\mathrm{eV}}{n^2},\quad n=1,2,...;\qquad l=0,...,n-1,\quad m_l=-l,...,l

定義: 量子数

主量子数 nn はエネルギーと代表的な大きさを定めます。軌道量子数 ll は角運動量 L2=l(l+1)ℏ2L^2=l(l+1)\hbar^2 を、磁気量子数 mlm_l はその射影 Lz=mlℏL_z=m_l\hbar を定めます。非相対論的水素模型では、各 nn にスピンを除いて n2n^2 個の状態があります。

1s、2s、2p を選び、∣ψnlm∣2|\psi_{nlm}|^2 の空間分布と節を観察します。雲は確率を表し、運動軌道ではありません。

スペクトル線と遷移

非相対論的クーロン模型ではエネルギーは nn のみで決まり、複数の状態が縮退します。原子が光子を吸収・放出するとき、光子エネルギーは準位差 hν=∣Ef−Ei∣h\nu=|E_f-E_i| です。微細構造や外場は理想的な縮退を部分的に解きます。

例: 遷移光子

電子が n=3n=3 から n=2n=2 に遷移します。放出光子のエネルギーを求めなさい。

解答

E2=−13.6/4=−3.40E_2=-13.6/4=-3.40 eV、E3=−13.6/9=−1.51E_3=-13.6/9=-1.51 eV です。放出光子は Eγ=E3−E2=1.89E_\gamma=E_3-E_2=1.89 eV です。

クーロンポテンシャルは球対称なので、問題は動径部分と角度部分に分離できます。非相対論模型ではエネルギーは主量子数 nn に依存し、l,ml,m に関して縮退します。これらはエネルギー尺度と軌道角運動量を表します。ボーア半径 a0=4πϵ0ℏ2/(mee2)a_0=4\pi\epsilon_0\hbar^2/(m_e e^2) が長さの尺度で、束縛準位は En=−13.6 eV/n2E_n=-13.6\,\text{eV}/n^2 です。光子が hν=Ei−Efh\nu=E_i-E_f を満たすと線スペクトルが現れます。微細構造や QED 補正は、基本模型で縮退した準位を分裂させます。

クイックチェック

非相対論的水素原子でエネルギーを直接決める量子数はどれですか。

原子軌道は何を表しますか。

参考文献

  1. David J. Griffiths, Darrell F. Schroeter (2018). Introduction to Quantum Mechanics