物性物理学
自由電子気体とフェルミ準位
自由電子気体を調べます。k 空間の球状フェルミ面を見て と を確かめ、フェルミ・ディラック分布の 周りの熱的広がり を観察します。
器具
- 占有状態を持つ k 空間の 3D フェルミ球
- 「温度」スライダー(5–180 シミュレーション単位)
- 「密度/周波数」「状態数」スライダー
- ε/E_F に対する占有分布グラフと「一時停止」ボタン
手順
密度を変えてフェルミ半径を測る
「密度/周波数」を上げると、占有状態が増え k 空間のフェルミ球が膨らみます。半径を 、端のエネルギーを と比べます。「一時停止」で占有状態数を読みます。
温度を掃引してフェルミ端のぼやけを見る
低温では占有分布はほぼ階段状です。ε < E_F は満、ε > E_F は空です。「温度」を上げると 周り幅 の帯だけがぼやけます。球内部の電子は近くに空状態がないため励起できません(パウリ原理)。
状態数を変えて帰結を導く
「状態数」を動かして状態密度の変化を見て、n と組み合わせて電子熱容量を予想します。フェルミ面近くの の電子だけが寄与し ——古典値 (粒子あたり)とは大きく異なります。
シミュレーション
実験の歴史
1900年、パウル・ドルーゼは伝導電子を古典気体としてモデル化し、ヴィーデマン・フランツ則を説明しましたが、電子熱容量では失敗しました。古典統計では全粒子が ずつ寄与し、実験に反します。
フェルミとディラックが新しい統計を確立(1926)した後、アーノルト・ゾンマーフェルトは1928年に金属電子へ適用しました。フェルミ面から 内の粒子だけが励起可能で、自然に と温度に依らないパウリ磁化率を与えます。 が数 eV なら「フェルミ温度」– K で、室温の金属もなお縮退気体です。シミュレーションが示す階段分布そのものです。