熱物理学
熱、仕事、内部エネルギー
気体がする仕事を W とする規約で、定圧・定積過程における第一法則 ΔU = Q − W を確かめます。 熱量・気体の仕事・内エネルギー変化を測定し、次の式を確かめます: .
⚠ 気体と熱交換のモデルは仮想です。実物の装置は高温・高圧になることがあり、指導者の監督が必要です。
器具
- ピストンを自由または固定できる理想気体シリンダー
- 体積 V と加熱量 Q のスライダー、Q・W・ΔU のグラフ
手順
定圧過程と定積過程を比べる
「定圧(ピストン自由)」を選び、V スライダーで初期体積を設定して Q で加熱します。ピストンの移動とグラフ上の累積量を確認します。リセットして「定積(ピストン固定)」を選び、同じ Q を与えます。体積が一定なので境界仕事はなく、熱は内部エネルギーを増加させます。 観測した量を次の関係式と比較します: .
内部エネルギー変化を計算する
定圧モードのグラフで Q と仕事 W を記録し、式 を確認します。W = 0 となる定積モードでも繰り返し、加えた熱による内部エネルギー変化を比べます。
累積量を比較する
各試行の前にリセットし、過程モードだけを変えて Q を同じに保ちます。体積変化、仕事、内部エネルギーを読み、ピストンが動くか固定されるかで違いを説明します。 観測した量を次の関係式と比較します: .
シミュレーション
実験の歴史
熱力学第一法則は19世紀、熱と仕事を一つの保存原理で結び付けようとする研究の中で形づくられました。ジェームズ・プレスコット・ジュールは、落下する重りで水をかき混ぜ、温度上昇を測定し、機械的仕事が一定の割合で熱に変わることを示しました。この実験は、熱を独立した保存物質とみなす考えを退ける助けとなりました。
ルドルフ・クラウジウスは1850年に原理を体系化し、熱と仕事によって系の内部エネルギーが変化すると述べました。ここで用いる規約では、気体が熱を受け取ると Q は正、気体が仕事をすると W は正であり、ΔU = Q − W です。仕事の符号規約は異なる場合があるため、定圧・定積過程を比べる際には規約を明示する必要があります。この原理は、エネルギーが消失するのではなく、熱や仕事として系と周囲の間で移動することを示します。ピストンの動きと温度変化を同時に記録すれば、供給熱のうち外部への仕事となる分と内部エネルギーに残る分を区別できます。