ヴィタリー・ギンズブルグ
1916–2009, ロシア、モスクワ, ロシア、モスクワ
物性物理学素粒子物理学
ノーベル物理学賞 2003超伝導のGinzburg–Landau理論の共同創設者であるロシアの理論物理学者——相転移と対称性の破れの理論の雛形。
ギンズブルグは1940年にモスクワ大学で博士号を取得しレベデフ研究所に移り、終生理論部門を率いた。プラズマ、超伝導から宇宙論まで扱うソ連随一の多才な理論家であり、ソ連水爆計画にも参加した。
1950年、Landauとともに複素「秩序パラメータ波動関数」による超伝導の現象論的理論——Ginzburg–Landau理論——を構築した。秩序パラメータと「メキシカンハット」型ポテンシャルの概念は後に相転移・超流動・さらには素粒子物理のHiggs機構の共通言語となった。87歳で2003年ノーベル賞を受賞。
ノーベル賞受賞業績
Ginzburg–Landau理論(1950年)は微視的機構を知らなくても超伝導を記述した。複素秩序パラメータψ(電子対の「巨視的波動関数」の役割)と二つの測定可能な係数が自由エネルギーを定める。そこから二つの特性長——磁場侵入深さλとコヒーレンス長ξ——が導かれ、その比κ=λ/ξが物質を第一種か第二種か決める。
現象論的に構築されたものの、この理論は後に微視的BCS理論の極限形(Gorkov, 1959)と証明され、アブリコソフに渦糸格子を見出させた。さらに深くは、GL方程式は「自発的対称性の破れを持つ場の理論」の最初の例であり、同じ数学構造が後に宇宙相転移理論とHiggs場に現れた。2003年ノーベル賞はこの基盤的役割を称えた。
所属機関: レベデフ物理学研究所(モスクワ)
ロシア
