Physic Labs

ニュートン力学

運動量

一次元運動における運動量 p=mvp = mv と力積の定理 J=FΔt=ΔpJ = F\Delta t = \Delta p を調べます。力 F が時間 Δt 作用する前後の p を測ります。

高等学校

器具

  • 「1. 運動量 p=mv」キャンバス:運動軸に沿った運動量ベクトル。ドラッグで視点回転
  • スライダー「質量 m」(1–10 kg)と「速度 v」(−8…8 m/s)
  • 「2. 力積による運動量変化」キャンバス:力積前の pᵢ と後の p_f のベクトル
  • スライダー「平均力 F」(−20…20 N)と「時間 Δt」(0.1–1.0 s)
  • 「運動を一時停止」ボタン。読み出し「運動量 p = mv = …」と「力積 J = FΔt = …; p 後 = …」

手順

  1. m と v に対する p = mv を測る

    セクション1で「速度 v」を固定し、「質量 m」を 1 から 10 kg へ増やすと、p の矢印が伸び「p = mv」の読み値が線形に増えます。次に v を負にするとベクトルが反転し、p は右向きを正とする軸で負になります。いくつかの組を p=mvp = mv で確かめます。

  2. 力積 J = FΔt を計算する

    セクション2で「平均力 F」= 8 N、「時間 Δt」= 0.4 s(スライダー値 4)にすると、読み出しは J = 3.2 N·s です。Δt を 0.8 s に倍増すると J も倍になります。F を負にすると J と p_f のベクトルが反転し、運動に逆向きの力は運動量を減らします。

  3. p_f = pᵢ + J の検証

    m = 4 kg、v = 5 m/s(pᵢ = 20 kg·m/s)を選び、J = −25 N·s になるように F と Δt を設定します。読み出しの「p 後」は −5 kg·m/s になるはずで、キャンバス上で p_f が pᵢ と逆向きになります。J > pᵢ と J ≈ −pᵢ でも試し、物体が加速・反転・停止するのを確かめ、毎回 pf=pi+FΔtp_f = p_i + F\Delta t と照合します。

  4. 条件を変える前に予測する

    予測します。J を同じにして F と Δt の配分を変える(F = 20 N・0.4 s と F = 8 N・1.0 s)と、p_f は同じになるか。シミュレーションで試し、積 FΔt だけが問題になる理由を説明します(エアバッグが Δt を延ばして F を下げるのも同じ原理)。「運動を一時停止」で pᵢ と p_f のベクトルを比較します。

シミュレーション

実験の歴史

ルネ・デカルトは『哲学原理』(1644年)で、物体の大きさと速さの積に比例する「運動量」を提唱し、その総量は宇宙で保存されると主張しました。方向を考慮していなかった点を除けば運動量の先駆けです。ジョン・ウォリス(1668年)とクリスティアーン・ホイヘンス(1669年)は王立協会に正しい衝突則を示し、保存される量が向きを持つ mv であることを明らかにしました。 アイザック・ニュートンは『自然哲学の数学的諸原理』(1687年)で「quantitas motus」を質量と速度の積と定義し、第二法則を「運動量の変化率は力に比例する」と述べました。これはシミュレーションが示す力積の定理 FΔt=ΔpF\Delta t = \Delta p そのものです。ガリレオ・ガリレイが先に明確にした慣性がなければ運動量は意味を持ちません。

関連する物理学者

関連するライブラリのトピック