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最先端の物理学

核融合

核融合は軽い原子核をより重い生成核へ結合する反応です。質量欠損があればエネルギーが放出され、反応率は温度と核反応断面積に強く依存します。

正に帯電した二つの原子核は、強い核力がクーロン反発を上回るほど接近する必要があります。高温では速度分布の高エネルギー尾部が増え、量子トンネル効果も重要なので、反応する全ての粒子対が古典的障壁を越える必要はありません。

Q=(minitial−mfinal)c2Q = (m_{\mathrm{initial}}-m_{\mathrm{final}})c^2

定義: 反応のQ値

Q>0 なら生成物の静止質量の合計は反応物より小さく、その差は生成物の運動エネルギーや反応によっては放射になります。Qが正であるだけで、装置が消費量を上回る有用エネルギーを供給するとは限りません。

温度を変えてイオンエネルギー分布と反応に寄与しうる高エネルギー尾部を観察します。実際の反応率を計算するものではありません。

温度と閉じ込め

核融合プラズマでは、粒子密度 n、温度 T、エネルギー閉じ込め時間 τ_E が点火条件を左右します。ローソン条件は nτ_E(または nTτ_E)で表され、しきい値は燃料と温度に依存します。熱損失、放射、不純物はいずれも必要入力を増やします。

例: 反応エネルギー

D + T → ⁴He + n の Q 値は約17.6 MeVです。反応が一回起きたとき、重心系で二つの生成物が持つ運動エネルギーの合計はおよそいくらですか。

解答

エネルギー・運動量保存より約17.6 MeVです。初期の相対運動エネルギーがQより小さい場合の値です。分配は等しくなく、中性子が約14.1 MeV、α粒子が約3.5 MeVを受け取ります。

統合的なエネルギー基準では、核融合出力とプラズマへの外部入力を区別する必要があります。重水素・三重水素混合では、荷電したα粒子のエネルギーが十分長く閉じ込められるとプラズマを自己加熱できます。一方、中性子は磁場閉じ込めを逃れ、ブランケットにエネルギーを与えます。制動放射、乱流輸送、壁との熱交換、熱から電力への変換効率も収支を左右します。したがってローソン条件は理想化モデルで必要ですが、発電所の正味利得を保証しません。現在の研究では粒子運動論、MHD安定性、プラズマ・材料相互作用、トリチウム燃料サイクルを結合する必要があります。

別の設計制約は、真空容器壁とブランケットへの熱・粒子負荷です。高エネルギー中性子は原子をはじき出し、核反応でヘリウムを生じ、材料特性を変えます。ブランケットには熱除去とトリチウム増殖も求められます。寿命予測には照射実験、中性子輸送モデル、材料データを組み合わせ、外挿の不確かさを明示します。

確認問題

核融合反応で Q>0 は何を意味しますか。

プラズマ温度が単一の衝突エネルギーを決めないのはなぜですか。

参考文献

  1. T. J. M. Boyd, J. J. Sanderson (2003). The Physics of Plasmas
  2. A. A. Harms et al. (2000). Principles of Fusion Energy