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国際物理オリンピック · 2025年

問題

  1. 問題 1質量 mm、半径 RR の一様な実体球が角度 α\alpha の斜面を静止状態から滑らずに転がる。中心まわりの慣性モーメントは I=25mR2I=\tfrac25mR^2、重力加速度は gg である。重心加速度 aa と高さ hh だけ下降した後の速さ vv を求めよ。 (a) 並進・回転の運動方程式と転がり条件から、加速度 aa と静止摩擦力の大きさ・向きを求めよ。(b) 高さ hh だけ下降した後の速さ vv と角速度を、回転エネルギーを含めて導け。(c) 答えの RR 依存性を確認し、純転がりで静止摩擦が力学的エネルギーを散逸しない理由を説明せよ。 一様な実体球の慣性モーメントは 2mR2/52mR^2/5 であり、空気抵抗と転がり抵抗は無視する。 滑りなしの拘束は並進と回転を結び、静止摩擦が球を回転させる。下降による位置エネルギーは並進・回転の両方の運動エネルギーへ移る。 静止摩擦力の向きは運動方程式から決め、仮定せずに求める。解答: 1
  2. 問題 2絶対温度 Th>TcT_h>T_c の2つの熱源の間で可逆カルノー機関が動作し、1サイクルごとに高温源から熱量 QhQ_h を受け取る。効率 η\eta、放出熱 QcQ_c、仕事 WW を求めよ。 (a) 可逆サイクルのクラウジウス等式で Qh,Qc,Th,TcQ_h,Q_c,T_h,T_c を関係づけよ。(b) 熱力学第一法則から仕事 WW と効率 η\eta を求めよ。(c) Tc→ThT_c\to T_h と Tc→0T_c\to0 の極限を調べ、その意味を説明せよ。温度には絶対温度を用いる。 熱量は正の大きさで表し、仕事は機関が外部へ出す量とする。二つの熱源の温度は一定である。 可逆機関が各サイクルで吸収する熱を QhQ_h、放出する熱を QcQ_c とする。効率と仕事を求め、温度差がなくなる場合と冷源温度がゼロに近づく場合を比較する。 吸熱・放熱を正の大きさで扱い、第一法則の符号を明確にする。 温度差がゼロなら出力もゼロであり、冷源温度が低いほど理想効率は高くなる。解答: 1
  3. 問題 3波長 λ\lambda の光子が静止電子に散乱され、散乱後の光子は入射方向となす角が θ\theta である。波長変化 Δλ\Delta\lambda と反跳電子の運動エネルギーを求めよ。電子質量 mem_e、光速 cc、プランク定数 hh を用いる。 (a) エネルギー・運動量保存と電子の相対論的関係からコンプトン変化 Δλ\Delta\lambda を導け。(b) 光子のエネルギー損失を求め、電子の反跳運動エネルギーと等しいことを示せ。(c) 前方散乱 θ=0\theta=0 と後方散乱 θ=π\theta=\pi の極限を求め、反跳が最大となる角度を述べよ。 電子は初め静止し、光子は h/λh/\lambda の運動量をもつ。散乱後の電子には相対論的関係を用いる。 入射光子のエネルギーは hc/λhc/\lambda であり、散乱光子と反跳電子が全運動量を分け合う。波長変化と電子の運動エネルギーを求める。 前方散乱では波長変化がなく、後方散乱では最大となる。解答: 1