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国際物理オリンピック · 2024年

問題

  1. 問題 1質量 mm の小物体を、半径 RR の固定された滑らかな球形ドームの頂点から静止状態で放し、外側を滑らせる。重力加速度 gg は一定とする。角 θ\theta は頂点を通る鉛直線と、球の中心から物体への半径とのなす角で、0≤θ<π/20\le\theta<\pi/2 とする。物体の大きさと空気抵抗は無視する。接触中の軌道半径は一定であり、球面は物体を外向きに押すが引くことはできない。(a) エネルギー保存則から θ\theta の関数として速さを求めよ。(b) 半径方向の運動方程式を立て、接触を失う条件を述べよ。(c) 離脱角を求め、m,R,gm,R,g に依存しない理由を説明せよ。角度はラジアンまたは度で一貫して扱い、答えを度でも示す場合は換算せよ。接触を保つ間は垂直抗力が非負である必要がある。速さは常に非負の量として扱い、径方向の正方向を明確にすること。落下後の軌道は離脱角の計算に用いない。解答: 1
  2. 問題 2電気容量 C0C_0(空気中)の平行板コンデンサーを電圧 U0U_0 まで充電し、電源から切り離す。その後、比誘電率 κ\kappa の誘電体板を極板間に隙間なく挿入する。誘電体挿入前後のコンデンサーのエネルギーを求め、その変化を説明せよ。 (a) 電極電荷と挿入後の容量を求め、最後の電圧を導け。(b) 挿入前後の電場エネルギーとその比を κ\kappa で表せ。(c) エネルギー減少を誘電体が引き込まれる際の力学的仕事と結び付けよ。電場と外力の仕事の符号を区別し、切断後に保存される量を明記せよ。理想平行板と完全充填を仮定する。 初期状態は空気中の容量 C0C_0 と電圧 U0U_0 で定まる。電源切断後の電荷保存を、電圧一定の条件と混同しないこと。 電源を外した後の電荷は一定であり、誘電体がすき間を完全に満たすと容量は κC0\kappa C_0 となる。エネルギー減少は誘電体を引き込む仕事と比較する。 初期と最終のエネルギーを同じ保存電荷で比較し、外力の仕事の符号も明らかにする。解答: 1
  3. 問題 3波長 λ\lambda の音を等しい振幅で同位相に放射するコヒーレントな2音源がある。点 PP における経路差は Δr\Delta r である。整数次数も含め、点 PP での強め合いと弱め合いの条件を求めよ。 (a) 符号付き経路差 Δr\Delta r から点 PP の位相差を求めよ。(b) 強め合い・弱め合いの条件と整数次数を導き、符号と絶対値を区別せよ。(c) 経路差の符号、または一方の音源の位相を反転すると縞の種類が変わるか判定せよ。Δr=0\Delta r=0 と半波長差を検算に用いる。 二つの音源は等振幅で同位相とし、変位は正弦波の重ね合わせで決まる。逆位相なら強め合いと弱め合いが入れ替わる。 波長一つの経路差は位相 2π2\pi に対応する。極大と極小の条件を整数次数で示し、経路差の反転と音源位相の反転を別々に考える。 同位相音源では零程差が極大となることを確認する。 次数は整数で表し、経路差の絶対値を使う場合はゼロ以上の次数を選ぶ。解答: 1