国際物理オリンピック · 2012年
問題
- 問題 1高さ の崖の縁から、小球を水平に初速 で投げる。空気抵抗を無視し、 とする。 投射点を原点とし、水平軸を前向き、鉛直軸を上向きに取る。地面は投射点より鉛直距離 だけ下にあり、小球は着地まで他の物体に衝突しない質点とみなす。時間は崖を離れた瞬間から測る。 発射後は重力だけが小球に働く。水平成分と鉛直成分を分けて扱い、地面に達する時刻を着地時刻とする。到達距離は崖の真下から測り、角度は水平線から測定する。初速度の水平成分は 、鉛直成分はゼロである。着地直前の速度は二成分をベクトル合成して求める。着地位置と角度の基準を区別して表す。 (a) 地面に達する時間と水平到達距離を求めよ。(b) 衝突直前の速度成分を求めよ。(c) 衝突速度の大きさと水平線より下の角度を求めよ。解答: 1
- 問題 2質量 の物体が、傾斜角 の斜面を静止から 滑る。動摩擦係数は 、 とする。 斜面は固定され、物体は滑走中ずっと接触を保つ。摩擦係数 は経路全体で一定で、動摩擦力は運動と逆向きに働く。物体は初期位置から指定された終点まで斜面に沿って直線的に、一定加速度で動く。 斜面に垂直な加速度はなく、垂直方向では力が釣り合う。摩擦係数は運動中一定で、物体は滑り始めてから終点まで停止しない。時間は静止から出発した時刻をゼロとして測る。出発時は静止しており、重力の斜面方向成分と摩擦力は一定である。したがって全区間を等加速度運動として扱う。 (a) 垂直抗力と斜面方向の加速度を求めよ。(b) 斜面下端での速さを求めよ。(c) 加速度一定として滑走時間を求めよ。解答: 1
- 問題 3起電力 の理想電源に、抵抗 と を直列接続する。回路を 閉じる。内部抵抗を無視し、値は一定とする。 抵抗はオーム則に従い、抵抗を無視できる理想導線で直列につなぐ。回路が閉じている間、電源電圧は一定に保たれる。電流は正極から二つの抵抗を通って負極へ流れる向きとし、消費された電気エネルギーは熱に変わる。 スイッチを閉じた直後から定常電流が流れるものとする。抵抗値は温度上昇によって変化せず、電源はその間ずっと一定の電圧を保つ。電力とエネルギーは各抵抗でのジュール熱として評価する。電流、端子間電圧、各抵抗の発熱は定常状態で一定である。回路全体で供給された電気エネルギーは各抵抗が受け取る熱量の和に等しい。 (a) 合成抵抗と回路電流を求めよ。(b) 各抵抗の電圧を求め、閉回路の法則を確認せよ。(c) 全消費電力と に電源が供給するエネルギーを求めよ。解答: 1