国際物理オリンピック · 2010年
問題
- 問題 1質量 と の二物体を、軽く伸びない糸で質量なし・摩擦なしの滑車にかけ、静止から放す。 とする。 糸は常に張り、滑車の溝で滑らない。滑車は自由に回転するため、両側の張力は等しい。二物体は鉛直方向だけに動くので、重い物体が下がる距離と速さは軽い物体が上がる距離と速さに等しい。放した後の運動を考える。 糸と滑車の質量、空気抵抗、軸の摩擦は無視する。重力加速度と各質量は一定であり、数値の答えには運動方向も添える。変位は放した位置から測り、加速度は運動中一定である。初速はゼロで、力の合力が一定なので運動は等加速度となる。各時刻の速さは二物体で共通である。 (a) 各物体の加速度と糸の張力を求めよ。(b) 後の速さを求めよ。(c) その間に各物体が移動した距離を求めよ。解答: 1
- 問題 2高さ の崖の縁から、小球を水平に初速 で投げる。空気抵抗を無視し、 とする。 投射点を原点とし、水平軸を前向き、鉛直軸を上向きに取る。地面は投射点より鉛直距離 だけ下にあり、小球は着地まで他の物体に衝突しない質点とみなす。時間は崖を離れた瞬間から測る。 発射後は重力だけが小球に働く。水平成分と鉛直成分を分けて扱い、地面に達する時刻を着地時刻とする。到達距離は崖の真下から測り、角度は水平線から測定する。初速度の水平成分は 、鉛直成分はゼロである。着地直前の速度は二成分をベクトル合成して求める。着地位置と角度の基準を区別して表す。 (a) 地面に達する時間と水平到達距離を求めよ。(b) 衝突直前の速度成分を求めよ。(c) 衝突速度の大きさと水平線より下の角度を求めよ。解答: 1
- 問題 3質量 の物体が、傾斜角 の斜面を静止から 滑る。動摩擦係数は 、 とする。 斜面は固定され、物体は滑走中ずっと接触を保つ。摩擦係数 は経路全体で一定で、動摩擦力は運動と逆向きに働く。物体は初期位置から指定された終点まで斜面に沿って直線的に、一定加速度で動く。 斜面に垂直な加速度はなく、垂直方向では力が釣り合う。摩擦係数は運動中一定で、物体は滑り始めてから終点まで停止しない。時間は静止から出発した時刻をゼロとして測る。出発時は静止しており、重力の斜面方向成分と摩擦力は一定である。したがって全区間を等加速度運動として扱う。 (a) 垂直抗力と斜面方向の加速度を求めよ。(b) 斜面下端での速さを求めよ。(c) 加速度一定として滑走時間を求めよ。解答: 1