国際物理オリンピック · 1983年
問題
- 問題 1質量 の小物体を、水平となす角 の直線状で滑らかな斜面の頂上から静かに放す。物体は斜面に沿って 進む。重力加速度を とし、空気抵抗を無視して、斜面下向きを正とする。(a) 物体の加速度と斜面から受ける垂直抗力を求めよ。(b) 斜面を下る時間と斜面下端での速さを求めよ。(c) 重力のした仕事と、この運動中の重力の平均仕事率を求めよ。 距離 は斜面に沿って測り、高さではない。物体は質点として扱い、回転しない。垂直抗力は変位に垂直なので仕事をしない。平均仕事率は重力の仕事を下る所要時間で割った量と定義する。 斜面は十分長く、物体は指定距離を最後まで接触したまま滑る。数値は有効数字三桁で答え、途中では記号式を保って各量の依存関係を明らかにせよ。解答: 1
- 問題 2起電力 の理想定電圧源を、抵抗 と容量 のコンデンサーに直列につなぎ、時刻 に回路を閉じる。コンデンサーは初め無電荷で、導線とスイッチは理想的とする。 を電源の正極側につながる極板の電荷、 を充電電流とする。(a) 時定数と を求めよ。(b) コンデンサー電圧が最終値の に達する時刻と、その時の電流を求めよ。(c) その時刻の蓄積エネルギー、および における電荷と電流の極限を求めよ。 電源電圧は充電中一定であり、電流の正方向を電源から抵抗を経てコンデンサーへ向かう向きとする。時刻の単位は秒で、電圧を電荷で表す関係は である。 スイッチを閉じた後に外部から回路へ加わる電圧変化はないものとする。数値結果は適切な単位を付して示し、極限値は充電が十分進んだ定常状態として解釈する。解答: 1
- 問題 3焦点距離 の薄い凸レンズを光学台に置き、主軸上の高さ の物体を、まずレンズから の位置に置く。空気中の近軸光線を考える。実物体では 、実像では とし、横倍率を と定義する。(a) 像距離と倍率を求め、像が実像か虚像か、正立か倒立かを判定せよ。(b) 像の高さを求めよ。(c) 物体を に移し、像距離・倍率・像の性質を再び求め、二つの配置を比較せよ。 の符号は像の向きを表し、物体と同じ向きなら正、倒立なら負とする。理想的な薄レンズを一枚だけ考え、収差は無視する。距離はすべてセンチメートルで測り、像の位置はレンズに対する側も含めて符号で示す。 計算では距離の単位を統一する。解答: 1